アルギン酸は、マンヌロン酸(M)とグルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖重合した構造を持つ多糖類です。
アルギン酸の鎖状構造の中で、MとGはランダムに存在し、以下に示す3種のブロックを構成しながら共存しています。
【M-M結合のみから成る<Mブロック>】


【G-G結合のみから成る<Gブロック>】


【MとGがランダムに配列した<ランダムブロック>】


アルギン酸に含まれるMとGの量的比率(M/G比)と配列のしかたは、アルギン酸の性質、特にゲル化能力とゲル強度に大きな影響を及ぼします。また、このM/G比は、海藻の種類や部位によって異なり、成育場所や季節による影響を受けることが知られています。
MおよびGの各ユニットが持つカルボキシル基(-COOΘ)はイオン交換しやすく、さまざまな陽イオンと容易にイオン交換することにより物性が変化します。この性質を利用することにより、アルギン酸は、増粘剤、ゲル化剤、分散安定剤、テクスチャーの調整剤、皮膜形成剤などとして広く活用されます。

