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入社1年半で海外赴任
若き海外駐在員

チリ現地法人駐在員

# 20代

# 新卒入社4年目

# 海外駐在

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入社1年半で海外赴任 若き海外駐在員

現在、南米・チリの現地法人「Alginatos Chile S.A.(アルヒナートス・チレ。略称:Alchi/アルチ」に出向している。入社からわずか1年半で海外駐在するという、スピード異動だった。

「入社した年の秋には、すでに駐在は内定していました。入社からちょうど1年が経った頃には研修を兼ねて長期出張し、その半年後に正式に赴任しました」

大学・大学院では、アルギン酸について研究していた。学びを活かした仕事がしたいと願っていた彼にとって、KIMICAはまさに理想の就職先だった。

「ほとんど業務経験のない私に、海外で働くチャンスを与えてくれた。会社にとっては大きなリスクだったと思います。KIMICAは、リスクを恐れず若手社員にチャンスや活躍の場を与えてくれる会社です」

KIMICAは、日本、チリ、中国の三拠点でアルギン酸の生産を行っており、時々の経済情勢や物流コストに応じて、各拠点に生産品目と生産量を振り分けている。特に、原料海藻の産出国であるチリの生産拠点は、原料調達に強みを持つ。そこで彼が担当しているのは、収率(海藻から回収できるアルギン酸の割合)と品質を向上するための生産プロセスの刷新だ。

「実は初めての海外渡航がチリへの赴任でした。当初は、《製造工程がよくわからない》《スペイン語がわからない》《社会経験が少なくて仕事の機微がわからない》という三重苦状態でした(笑)。しかも、日本の本社から来ている偉い人という目で見られるので、自分の言動や行動に、大きな責任が伴うことに緊張しまくっていました。少しでも間違った判断をすると大きな損害につながってしまうこともありますから」

しかし……案ずるより産むが易し。現地スタッフや駐在している日本人スタッフに助けられ、コミュニケーションを絶やさず日々の業務に励んでいるうちに状況は好転していった。

「一緒にさまざまな案件・問題に対処することで、現地スタッフとの一体感が生まれ、ともに成長させてもらっている実感があります。毎日決まったルーティン業務が存在せず、日々変化する生産状況や需要に合わせて、『いま何が一番必要なのか?』ということを自問しながら、自分で仕事を生み出せることも楽しいです」

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Column

Alginatos Chile S.A.

1987年に創立されたKIMICAの100%子会社(略称:Alchi)。従業員は約200名。1日24時間365日アルギン酸を製造している。チリの海岸には大量の海藻が繁茂しており、2000 kmに渡ってライフサイクルを終えた海藻が大量に漂着する。しかしそれらは、硬くて食べられず、食用に適さないため使い道がなく、長年未利用のまま放置されていた。そこに着目したのがKIMICAだった。KIMICAは、ほかに使い道のない「海のゴミ」をアルギン酸に生まれ変わらせた。

チリの海岸は、アタカマ砂漠に面している。拾い集めた漂着海藻は砂漠で天日乾燥する。KIMICAが直接的に雇用する従業員は200人程度だが、海藻を収集・乾燥するサプライチェーンによって1万人に及ぶ漁民の生活を支えている。
競合のアルギン酸メーカーは、生きた海藻を刈り取って原料を確保しているが、KIMICAはライフサイクルを終え、自然に岩から離れた漂着海藻にこだわっている。KIMICAのビジネスモデルはまさに、サステナブルな社会実現への回答となっている。

Alchiを率いるのは1995年から約30年間、最前線で指揮をとってきた現地法人の社長と製造部長の二人だ。
現地法人の社長は「チリ人と日本人の垣根なく一体感を生み出して、誰もが意見を出しあえる環境を整えている。仕事を通じて人間力を学ばせてもらっている」存在だ。製造部長は、「30年間のKIMICAでの経験にもとづいて、Alchiの常識にメスを入れ、改革を行っている。何も分からなかった私に製造とは何かを教えてくれる」存在だ。
アルギン酸を抽出した後に残る海藻残渣の存在も忘れてはならない。海洋ミネラルが極めて豊富で、良質な肥料・土壌改良剤として活用されているのだ。Alchiは、この肥料を近隣の農家に無償で提供しているほか、思わぬ副産物も誕生させた。

「工場周辺に拡がっていた緩衝緑地の土壌を海藻残渣で改良して、ブドウ畑に転換したんです、ワインを醸造したんです」

記念すべきワインは、Alchi創業者である笠原万平の名をとって「Don Mampei」と名付けられた。

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Privateの楽しみ

いろいろな日系企業の駐在員と交流(飲み会!)をすることが楽しみです。日本では関わることのない業種の方とも交流を深めることができ、視野が広がっていくことを感じています。「アルギン酸って、無限の可能性を秘めてるよね」と言われることもあって、KIMICAの未来に改めて想いを馳せることもあります。また、南米駐在を最大限活用し、普通はあまり行けないような場所を旅することも楽しみです。これまで、ブラジルのイグアスの滝や、アルゼンチンのワイナリーなどに行きました。南極圏に隣接するチリ南部の氷河地帯も訪れてみたいです。

いろいろな偉い方たちと接させていただけるのは光栄

世界トップのアルギン酸メーカーであるKIMICAの拠点には、さまざまなVIPが訪れる。在チリ日本大使館特命全権大使、一部上場企業の社長や大手製薬会社のオーナーetc.……。その人たちの案内役・工程解説役を仰せつかることもある。

「私のような新米社会人が、いろいろな偉い方たちと接させていただけるのは光栄ですが、失礼がないよう、アルギン酸の魅力や工程の概要を遺漏なくご説明することに毎回緊張します」

日課は、朝のゴミ拾いだ。工場を巡回しながら、約30分かけて現場の状況確認や現場スタッフとコミュニケーションを取りつつ、ゴミ拾いを行う。

「決して強制されているわけではないのですが、KIMICAには社員が自主的に工場を清掃するという伝統があります。その流れというわけでもないし、仲間になったチリの人たちに見習ってほしいなんて想いもありません。ただ、仕事を始める前に体も動かせますし、良いことをするとスイッチが入るタイプなので、自然と日課になりました」

日本人の感覚で見るとアバウトな一面があることは否めないが、フランクで明るく日々の対応が温かいチリの人びとに囲まれて、帰国後にKIMICAに貢献できる人間になることを目指して日々精進している。